8年間、大手コンサルティングファームで働いていました。大きなプロジェクト、分厚い報告書、優秀な同僚たち。それでも、独立したのは「納品して終わり」の構造に限界を感じたからです。この文章は、大手ファームを批判するためではありません。ただ、小さな事務所の方が変化が起きやすい理由を、現場で見てきた視点から正直に書きます。

担当者が変わらないことの意味

大手ファームでは、プロジェクトの途中で担当者が変わることが珍しくありません。人材育成のローテーション、別案件への異動、昇進。それぞれに理由はあります。でも、クライアントの側から見ると、「また一から説明しなければならない」という疲弊が積み重なります。小さな事務所では、最初に話した人間が最後まで関わります。それだけで、信頼の蓄積スピードが変わります。

報告書より、廊下での会話

変化は会議室で起きません。廊下での立ち話、昼食後の雑談、現場スタッフが「実はずっと気になっていたんですが」と言い始める瞬間。そういう場所に、コンサルタントがいるかどうかが重要です。大型プロジェクトでは、コンサルタントは会議室にしか来ません。私たちは意図的に、現場にいる時間を増やしています。

「出口」を最初から設計する

コンサルタントへの依存を生む支援は、長期的には害になります。私たちは最初のミーティングで必ず「このプロジェクトが終わったとき、あなたの組織はどんな状態になっていますか?」と聞きます。その答えを共有してから、支援の内容を決めます。出口を設計することで、支援の中身が変わります。

小さいことのデメリットも正直に

小さな事務所にはデメリットもあります。対応できる同時プロジェクト数に限りがあること、特定の専門領域(法務、財務会計など)は外部の専門家に頼む必要があること。それを最初から伝えた上で、それでも私たちと仕事をしたいと思ってもらえる関係を大切にしています。

大手か小規模かより、「誰が、どこまで関わるか」を確認することが大切です。初回相談で、その点を正直に話し合いましょう。